生きるのはなぜ苦しいのだろう、つらいのだろう。いや、だからこそ喜びを感じ得るのだ。闇があるから光が分かる。この世はあなたが必要だ。感情回復『詩的ぶるぅすメソッド』申込はメッセージフォームから。
あたたかいのが好きな人へ
おんぶ ほんとはねえ うれしかったよ あんた無愛想だから こっちも意地になって 愚痴ばかり言って 足を挫いたときも あんたのせいにしてさ だけどあんたときたら 慌てふためいて 氷を満杯用意して そんなにいらないのに 額に汗なんかかいて うれしかっ...
影踏み鬼 男の子の 無垢な心は 恥ずかしがり屋 物蔭に隠れては あまり姿を現さない 女の子の 猜疑な心は 忍びたがり屋 物蔭に隠れては 常に吹き矢で狙ってる 隠れてないで 出ておいで 心配なんてしなさんな みんなみんなひっくるめて わたしはき...
微笑み分布図 どこに生息しているか すぐわかる微笑み分布図 赤い印ひとつにつき 一人の微笑さんを示す 青い印や黒い印は 微笑みさん以外を示す 集まってる 集まってる 星団のように集まっている 赤い印の周りには 数多くの印がある 他の赤い印もあれば ...
ミラーリング エエ エエ ハハハ ハハハ ホロホ ホロホ あなたが わらうと わたしも おかしい あなたが つらいと わたしも くるしい ホロホ ホロホ ハハハハハ
歓喜の歌 もう怯えることはない もう隠れることはない 閉ざす必要もない 砂をかむことも 恨むような目も 奪うような目も なんて素晴しい あなた なんて素晴しい わたし あなたとわたしが 二つの虹になって やがていくつもの虹が いくつものあなたとわた...
左手の花束 花束を贈れるひとになりたい 照れ屋で 不器用で 意地張りで 勝ち気で 逃げ腰で どうしようもない こんな自分が 花束をもらうなど もったいないほど だからあなたへ あなたへも わたしは 花束を贈れるひとになりたい
祝橋 この橋で人と会ったら たとえ見知らぬ相手でも 目出度い会話を交わします どんなことでもいいのです 今日は晴天で目出度いですな 山吹きが咲いて目出度いですな 魚がはねたよ目出度いなあ また会ったね目出度い目出度い あんまりたくさん言ってると 有難みがなくなるですって? そんな...
真似っこ 前を行く女の人が なんだか愉しそうで ふわふわしていて そのうちふわふわと 宙に浮き始めて ふわふわひらひらと 飛んでいってしまった 愉しそうにしていれば ぼくも飛べるかなと 鼻歌をふんふん 歩調をらんらん ふわふわとはしてきても 宙に浮く様子もなく だけどまあなんとな...
生水の郷(しょうずのさと) 生きているから 流れ去る 生かされているから 流れ戻る 澄み響く音は 視覚から入り込み 思考と体内をひと巡り また視覚から外へ出る 悩み多き魚たちは 今日も目玉をくりくりさせ 勝手きままなつくり唄 ばくばくとくちずさむ 生きものたちは 愛くるしい ここ...
音楽で眠れ 音楽に寄り添うように 生きてみたいものだ 音楽に振り回されず 音楽を振り回さず 山女魚(やまめ)が水に寄り添うように 鮭の番(つがい)が寄り添うように 苦難を与えられたとしても 苦痛は与えられることなく ときに離れ 離れすぎれば寄り 心地良い距離のまま 安らかな眠りに...
もうひとつの故郷 惨めな心を救ってくれたのは あなたの故郷(ふるさと)でした 桃の花が咲いていました 川のせせらぎが輝いていました いつしか心も晴れてゆきました 荒(すさ)んだ心を慰めてくれたのは あなたの故郷でした 雲の色が真っ白でした 風の温もりがすべてを包みました いつしか...
バースデー わたしが生まれた時のことを わたしは何ひとつ覚えていない 雪は降っていたのか 太陽は出ていたのか 海は穏やかだったか 風は冷たかったか 誰がそこにいたか どんな顔をしていたか 嫌な顔をしていたか それとも笑っていたか わたしは何ひとつ見えていない わたしは何ひとつ覚え...
半音 完全な人間なんていない みんな完全なんかじゃない 完全そうに見える人だって どこかに半音もっている ましてこんなわたしなど 半音ばかりで仕方がない どんなにうまく歌っても どこかに半音紛れ込む そしてあなたはそれを聞き 優しい目をして笑っている わたしもわたしの半音が だん...
女神像 どうしてあなたはそんなに 強くて優しいのですか まるで疲れを知らず 微笑みを湛えたまま ずっと立ち尽くしていて 鳥に頭を踏まれようとも 折れた枝に引っ掻かれても 憎まれ口をたたくこともなく 唾を吐き捨てることもなく 錆びた涙は浮かべても 鳥のウンをもらったかしら などと見...
あなたにひとつ 小石をひとつ ぽとん 小石をもうひとつ ぽとん できた波紋 手に取って どうぞあなたに ひとつあげる
脚立 高い所に手が届く 八の字の幸福なかたち あぁ ふれたい どうかふれさせて ささやかな願望を 指の先に忍ばせて ぼくが下で支えるから たまにぐらりとなるからね
春夏秋冬の慰め 夏から暑さを取ったら 何が残るというのだ 冬から寒さを取ったら 何が残るというのだ 春から色を取ったら 何が残るというのだ 秋から風を取ったら 何が残るというのだ あなたから愛を取ったら 何が残るというのだ
リンゴ畑 ひとつ実を包み 娘を嫁にやる ひとつ実を包み 孫の顔を見る いくつ実を包み 人をつなげてきたか いくつ実を包み 時を刻んできたか ひとつ実を包み 秋は恋を告げる ひとつ身を包み 茜が頬を染める いくつ実を包み 人をつなげてきたか いくつ実を包み 時を刻んできたか
遺影 もういないはずなのに まだいるような気がする もう話すことはできないのに まだ話しかけてくれる気がする もう不平は言ってこないのに まだ不平を言ってくれる気がする もう機嫌よく歌うこともないのに まだ機嫌よく歌いだす気がする もうなにもかも閉じてしまったのに まだなにひとつ...
果物屋 いつものお婆さん 今日は腰が痛いとさ お大事にして下さいな 柿をひとつおまけする ゆきちゃんは偉い 今日もひとりでお遣いさ お母さんは良くなったかい 林檎をひとつおまけする 眼鏡のおとうさん 家庭菜園をはじめたとさ いつもお裾分けごちそう様 葡萄をひとふさおまけする ぼく...