生きるのはなぜ苦しいのだろう、つらいのだろう。いや、だからこそ喜びを感じ得るのだ。闇があるから光が分かる。この世はあなたが必要だ。感情回復『詩的ぶるぅすメソッド』申込はメッセージフォームから。
周囲に流されやすい人へ
昆布 あっちから ゆらり 潮に 押され こっちから ゆらり 潮に 押され ゆらり 押されて ゆらり 戻り 潮に ちぎれる ことも なく
櫂なし舟 櫂(かい)を失った舟は 流れるがままに 弛(ゆる)い流れのときは 両の手で水面を叩き 舳先を変えるぐらいは 辛うじて出来ようが 急流へと入り込めば 水面を叩くぐらいなど 命尽きかけた蜉蝣(かげろう) どうにも抗(あらが)えぬ虚しさ 舟を棄てるよりほかに 櫂が見つかるわけ...
イルカ船長 あなたはどこまでも どこまでもどこまでも 先へ先へ行ってしまって 追いかけても追いかけても まるで追いつかなくて あまりの自分の非力さに なんだか情けなくなって 追いかけるのもやめにして あなたから遠ざかりました わたしはもっと自信をもちます 自信をもてる何かを見つけ...
くろくつ 苦労を知るは 一時の苦痛 苦労を知らぬは 一生の苦痛 わずかな苦労からも 逃げてばかりでは 苦痛は一生 つきまとうだろう なぜなら人生は 苦痛に満ちている それゆえ人生は 苦痛に満ちている いちいち逃げていたら 何も成し遂げられない 一時か一生か どちらがよろしいか
光なきリズム 人の気配を察知して 土竜 (もぐら) はまた土に潜った にこにこして近づいても 餌を持って近づいても 土竜は身を翻 (ひるがえ) し 暗い世界へ閉じ篭 (こも) る 彼らには彼らのリズムが 生き良いリズムがあるのだ 彼らはどこでどのように 一生を終えるつもりだろう ...
開閉 出入口はひとつ ちょいとレバーを握る 出入口は開閉する 誰がレバーを握るか 皆それ恐れおののき 時として見せる鬼形相 奴が握りやがった 急げ急げ急げ ああっこん畜生! あの方が握りなすった さあ順番に順番に 慌てなくてもいいぞ
不用意 足を滑らせた 懸命に探した どこにもなかった 見つけられなかった 手は虚しく 斜面を啜(すす)り 転落というものは こんなにもたやすい しかしそれよりも 仲間が先にゆくのを 目にするのがつらい おぉ どうか 後に続く者よどうか 軽んずるなかれ 軽んずるなかれ
呪縛の札 剥がすのだ 剥がすのだ 体中に貼った 呪縛の札を 探すのだ 探すのだ 一番最初に貼った 呪縛の札を そいつを剥がせば 後の札々も 連なり剥がれる 身動きひとつ できないほどの 呪縛の札々 剥がせるのは いましかない
余震 本心 余心 余心 余心 また余心 余心 余心 余心 本心は どれだ
ないことあること ぼくにはできないことがある 子どもを産んで涙を浮かべること ぼくにはできないことがある 不眠不休で難民を救い続けること ぼくにはできないことがある 馬鹿馬鹿しいけど跳びはねるような夢を持つこと ぼくにはできないことがある 被爆したときのことをカメラに向け...
自分を高めたい人へ 周囲に流されやすい人へ
証明の帆 大きな船に繋がれて この小さな舟は進む 時に大波がぶつかり ぐらんぐらんと翻弄される いつか転覆するかもと 汗と飛沫(しぶき)にまみれている 足元には鉈(なた) その時が来たら 繋がれた綱を ぶった切るのだ 大きな船は素知らず 行ってしまうだろう この小さな舟は残され ...
黒い列 若者は奪われた表情で 何も識(し)らずに並んでいる きりりと透(す)んだ空を 黄色いイチョウが支えている 遊園地から飛んだ鳩が 小高い歓声を背に乗せてゆく 若者はまだ 列も乱さず 先も見えず 未来を負わされ 黒いコートで 叫び声をくるみ 巨大な入口へ 吸い込まれた
シマウマとタバコ ねえ タバコは美味いかい? プカーッ 煙がのんびり そよ風を追う ねえ ぼくはいらないからね プカーッ ライオンが茂みに 隠れて近づく あっ ねえ タバコは美味かったかい? ぼくはいらないからね
時間の値段 ひとは時間を買う生き物 切符という時間を買えば 今いる場所から遠くへ行ける 高い切符にすればするほど より早くより遠くへ行ける お金を持っていなければ 時間を買うことはできない だけど時間は買わなくても在(あ)る 道端に生える草のように いつでも誰でも手にできる 買え...
誰の生き方 ヤバくない日はない それが俺の生き方 ひどいものさ 休まりやしない だけどやれやれ仕方ない それが俺の生き方 カッコ良く聞こえて 実のところダサい じとじと階段を登って けらけら笑ってやる 無責任なお天道さん それが俺の生き方
回遊魚 ああちきしょう どんどん離される あいつらは速い もう追いつけない 自分で選んで 飛び込んだのに ああ息が苦しい いっそ溺れてしまえ なんだよあいつら 戻ってきやがった びゅんびゅん横を 通り去ってゆく かわいそうになあ 回遊魚だったんだ ぼくはゆっくりでも 好きに泳げる...
カルシウム カルシウムになりました ビタミンAになりました それはわたしのことです わたしのからだのことです アミノ酸になりました 鉄分になりました ああ愉快愉快です なんにだってなれます ビタミンBにだって ビタミンCにだって DEFGそうれそれ おやわたしはどこいった
直線の先 踏切が鳴り終わって 人と車が動き出す ぼくはその途中でふいと 線路の上で立ち止まる 延びる直線の先を見れば 小さくなってゆく銀の箱 その箱は誰にも邪魔されず ゆったりと消えていった ぼくはこんなふうに真っすぐに 歩んだことがあるだろうか それはぼく自身の終着駅へ 続いて...
マイン 誰の指図も受けない 僕の人生は僕のだ 崖から飛べと言われて なんだか笑っちゃうよね 誰の指図も受けない 僕は僕の空を飛ぶ ついてきたいというなら 好きにしたらいいと言うよ 誰の指図も受けない 僕を動かすのは僕だ 勇気なんて要らないよ 最初から持っているから
発想飛び ひとつひとつ 越えていこう? どうしてそんな もったいつける? ひとつふたつ 飛ばせないか? なんならみっつ よっついつつと 一度景色を 見てしまえば 足りないものも 知れるものだ