生きるのはなぜ苦しいのだろう、つらいのだろう。いや、だからこそ喜びを感じ得るのだ。闇があるから光が分かる。この世はあなたが必要だ。感情回復『詩的ぶるぅすメソッド』申込はメッセージフォームから。
愛について真実を探したい人へ
敗者 戦いに敗れた俺を 無能者と罵(ののし)るかい? 戦いに敗れた俺は もはや生きる資格もないかい? そうだろうよ そうだろうよ 一筋の希望をもってお前さん お前さんのとこへ向かっている すでに谷底の上を歩いていて あの世が半分下に見えている おかえ...
忘却 忘れることは罪ですか? もしも罪だというのならば 傍にいてくれないあなたにも 罪があると思いませんか? いいえ あなたに罪はありません ただ許してほしいだけなのです 忘れようとしているわたしを どうしようもなく生きているわたしを ああ 厳しい冬の寒...
財産は元からないにしても 何もなくなってしまった 毎日使うマグカップも 買ったばかりの靴も 写真も日記も何もかも 何もなくなってしまった 冷蔵庫も炊飯器も 壁も天井も屋根も 家また家すべての家も 何もなくなってしまった 地位も名誉も仕事も 財産は元か...
指折り数えて 指折り数えてみました 今日あなたが笑った数を 指折り数えてみました 今日わたしの至らない数を 指折り数えてみました 次にあなたと出会う日までを
黒曜石 映る瞳は どこまでも 黒く黒く 鋭く尖って わたしを貫き 肉を引き裂き どこまでも 黒く黒く 妖(あや)しくわらって 胸をのぼる
くちびるは縋(すが)る 横たわった亡骸(なきがら)の 乳をしゃぶる子熊 仲間たちが見守る中 猛獣に留めをさされる子鹿 それらはものすごく日常で だから必死に求め合って 僕が恐いのは何だと思う? あなたに恨まれることじゃない あなたに罵(ののし)られること...
海の日の研究テーマ 永遠を 閉じ込めたら 永遠では なくなるの? 永遠を 閉じ込めることが できなければ それは 永遠なの? 海を見て 永遠を感じるのは 海を 閉じ込めることが できないから? あなたの心も 閉じ込められない?
線と線と無数の線 もしもぼくたちが 一本の線だとしたら 銀河系が回るような 時の力に呑み込まれ ある線と交わってみたり そして間もなく離れたり 同じ方向を向いていて やがて線が重なったり 長い間重なっていたら 突然一方が途切れたり ずっとずっと離れた...
触覚 触覚がなくなったら どうしたらよいか わからないのである 天井に頭をぶつけても 新しい本で手を切っても 煮立った汁をすすっても 荒波の日本海に落ちても 石をなげつけられても 愛のお叱りでぶたれても 固く抱きしめられても わからないのである だ...
最後の恋文 花びらが二枚 降りてきた 真実というものが 人の心を震わせるなら 花びら二枚の この真実だけでも あなたに伝えれば 届くのかもしれない 淡い色の勇気しか 持ち合わせていない わたしからあなたへ
抗えぬ羽根 何も言わず 会うこともなく 別れゆくのは 罪でしょうか もしそうならば どうか許して わたしを許して すべてわたしが 悪いのです 翼になれない ただの羽根は 風のなすまま 吹かれるのです
ばらまく あるものは遠くへ飛ばし あるものは風に乗せて あるものは誰かに運ばせ あるものは魔術を使って ばらまく ばらまく なんて逞(たくま)しい なんて麗(うるわ)しい ぼくはきみを追いかける つまづきつまづき追いかける ばらまけばらまけ愛の唄 ばらまけばらまけ宵の花
片目の鹿 片目が見えないのは わたしの厭なところを 半分見ないようにするため 片目が見えないのは あなたの厭なところを 半分見ないようにするため そう思うことでしか どうして慰められようか 池に映したこの片目 空の重さがのしかかる それでもひとつ想うのは あなたの厭なところが す...
手話 伝わりさえすればいい わたしから 伝わりさえすればいい あなたから ひとりじゃないって ひとりじゃないって 伝わりさえすればいい わたしに 伝わりさえすればいい あなたに 愛していること 愛されていること
輪郭 雲の輪郭をたどるように あなたの輪郭をたどる はっきりと目に見えているのに どうしてぼんやりしているのか はっきりと大切に思うのに どうしてぼんやりしているのか あなたは雲ではない わたしも雲ではない なのにどうして輪郭だけは 雲のようなのだろう ぼんやりした輪郭だから 近...
χу χを求めて уに答えて 数式は輝き 道は照らされ なのにあなたは 近くならない χもуも わたしの中を 割り切れずに すりぬける
無彩色 どっちつかずは お嫌いですか どっちつかずの 無彩色 どっちつかずは ときに鮮やか きみを惑わせ きみをくらます ともに惑い ともにくらみ 色を求め 色に染まる
水仙 風のような日々を あなたと過ごした 愚かなわたしには 本当に風のようだった ここにこうして立ち 衰えた視力で 霞む山並を眺め 荒い息を鎮める 今わたしがあるのは あなたがいたからだ 便箋の片隅で 水仙が咲いている もう少し早くに 言葉にできたなら 水仙の涙はきっと 風が乾か...
残照 駅を降りた空には まだ光線が残っていた もう姿は見えないのに 薄い雲を照射していた あなたにとって今日は どんな意味を持ったろう 別れ際に見せた笑顔は いつまでもわたしの中で 徐々に強さを失いながら まぶしくきらめいていた もう二度と同じ光は 見ることのできない空で
遠心分離機 どこまで回せば どれだけ回せば 本心と偽りとを 分けることができるだろう 遠心分離機は いよいよ速度を増して ぼくの身と骨は ギリリギリリと軋(きし)む それなのに偽りは まだ飛び去らない どこまで回せば どれだけ回せば きみの前で本心を 曝(さら)け出せるだろう