生きるのはなぜ苦しいのだろう、つらいのだろう。いや、だからこそ喜びを感じ得るのだ。闇があるから光が分かる。この世はあなたが必要だ。感情回復『詩的ぶるぅすメソッド』申込はメッセージフォームから。
時代が変わったと感じる人へ
矢文(やぶみ) 風を切り裂き 矢が柱を突く 先には文(ふみ)があり 読まざるをえない 客人との商談も 親友との談笑も 男女での密会も 親子での和解も そこにしかない空気を 否応なく切り裂く 矢を放った者は その空気を知らない 知らないからこそ 放つこともできる 西暦二千十年一月 ...
宇宙服とサクラ 宇宙服を脱ごう きみの表情(かお)がわからないから 宇宙服を脱ごう きみの声が聞こえないから ぼくは帰りたい あのサクラの樹の下へ 宇宙服を脱ごう きみの温度(ねつ)がわからないから 宇宙服を脱ごう きみの夢が聞こえないから ぼくは眠りたい あのサクラの樹の下で
潮流 溺れました 街の片隅で 誰もいません いいえいます カプセルに入って 浮いています 次から次と 漂い流れ こちらを見ては 目をそらします わたしは段々 沈んでいます カプセルなんて 持っていません カプセルに入ると 窮屈なのです 息苦しくなるし 人と話せないし 自由に動けず...
渋谷川 水が涸れたよ コンクリートの川 魚はいないよ 飛んでいったかな 鳥はいないよ 地面にもぐったかな 葦はいないよ 旅にでも出たかな 人はいるよ 好き勝手にステップ 水が涸れたよ 龍神様はどこかな
野原 野原があったら もっと走りたい 野原があったら もっと転がりたい 野原があったら もっと息を吸いたい 野原があったら もっと笑い出したい 野原があったら もっと好きになる 野原があったら もっと もっと もっと
濡れた羽根 両手を拡げてばたばたと はばたかせてみるけれど 見える景色は変わらない いつになったら飛べるのかな よく遊んでいた公園は 巨大なビルの下になった あの頃はいともたやすく 飛び回っていたのにな 飛べなければ歩けばいい 昼間の濡れた月が言う 空を飛ぶ君にはわからない 悔し...
幸か不幸か 便利な世界に生れ落ち 幸か不幸かわからない 子ども達を見ていると ますます思いは募りくる 小さな神社のくもの巣に もはや誰も目もくれず 古いアルバム写真しか 心伝わらぬはかなし
肩に残る日々 みんなで肩組み 歩いていたはずが あいつがいなくなり あいつもいなくなり 気がつけばもはや ひとりきりになっていた 肩にはいまもなお あいつの手の感触 誰ひとりとして 教えてくれなかった いつかはひとりで ゆくのだということ 今では記憶だけで あいつは笑っている
眠れぬ日々 目をとじた上から ライトを当てられて さあ眠りなさいと よくも言えたものだ そのうえ夢を見ろと あなたはのたまうのか あぁ眠れぬ日々よ 夢も見れぬ日々よ 煌々とつくライトを 吹き消してみたい
道連れ 誰だこんな 鎖を足に そしてまったく 外れやしない まわりを見りゃ おんなじように 足に鎖が ある人ばかり おいおいこりゃ まずいかもな みんな鎖で 繋がってらあ もしも誰かが 谷へ落ちたら みんながみんな はいさようなら
昔語り やあやあみなさん よくぞお集まりで これから話しますは はるか昔のことで 現代のような 便利なものなんて 何ひとつなかった そんな時代のこと 生身の人間が 苦楽を共にし 壮絶な日々を 生き抜いた話 あれは二百年前の 二千十九年の頃・・・
あなおそろしや なんだか疲れて うとうとしていて はっと気づいて 目を醒ましたら 全然景色が 変わってしまって 浦島太郎の まさに玉手箱 いったいこれから どうなることやら うとうとなんかも してられないのか
雲にアップ アップアップアップ 雲の上にアップ もう止められない 増殖速度アップ 恨むのはなしよ 時代のせいだよ 知ったこっちゃない それでいいのかい? アップアップアップ 雲の上にアップ みんな幸せかい?...
幸せになろう ぼくらは何もかも 変わってしまった 百年前のぼくらは こんなんじゃなかった だけど百年前にも ぼくらは思っていた 百年前のぼくらは こんなんじゃなかった 嘆いているよりも 幸せになろうよ ...
いにしえからの声 べんべんずんべべ 唄うは琵琶奏者 べんべんべべべ いにしえの物語り 祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 人の世はこうして 唄い継がれてゆく べんべんずんべべ 語るは琵琶奏者 べんべんべべ...
夢の先のレール 草に埋もれたレールは いつの時代のものか ショウリョウバッタがちょんと 澄まし顔で立っている 大都会の面影は もはやどこにもないのか 巨大なビルの群れも 鉄骨さえ見当たらない 野良犬が嗅いでるのは ...
むじゃきな黎明 つぶれちまったスーパーの ドアーのガラスは割れたまま 薄暗くなった店内は ガランとしていて何もない 天井からは線が垂れ 床でもあちこちとぐろ巻く 八百屋さんのあの声が 静寂の中でこだまする 人がいなくな...
リヤカー このリヤカーは 誰のものなの タイヤの空気は 抜けてしまった 箱の底板は 朽ちてしまった もはや荷物は 運べないのか 直せばいいのに 直すこともなく 使えばいいのに 使うこともなく 貧...
魚の子どもたち 港から船が 消えてしまったのは 時代が子どもたちを 消してしまったから 年老いた漁師は 船の亡霊を沖の 白波に浮かべながら 釣り糸を垂れている そういえばこの頃 魚が増えたようだ 子どもたち...
乗せてくれない 乗りたくても 乗せてくれない 回送列車 乗りたくても 乗せてくれない 回送タクシー 乗りたくても 乗せてくれない 回送バス 乗りたくても 乗せてくれない 回想あの頃 ...