生きるのはなぜ苦しいのだろう、つらいのだろう。いや、だからこそ喜びを感じ得るのだ。闇があるから光が分かる。この世はあなたが必要だ。感情回復『詩的ぶるぅすメソッド』申込はメッセージフォームから。
底から這い上がりたい人へ
存在 自分さえいなければ そう何度も思いました わたしを支えるものは 夜が明けるたび横たわる 陽の光であろうと思います
赤い口 いまだ赤い口の雛 鳴いて鳴いてただ鳴いて 空へ羽ばたくその日まで 鳴いて鳴いてただ鳴いて
生活の知恵 苦しい時に笑っているなんて 気違いと思いでしょうか でも半分当たっているかもしれません 破れかぶれなのです 破れかぶれに笑ってみたのです 半分気違いなのです 半分気違いになったら すぅと気持ちが楽になりました 苦しければ苦しいほど にっこり...
分身の術 家族を冷たくあしらうわたし 恋人に嫌味を言うわたし 人を押しのけて電車に乗るわたし 鏡の中で眉間に皺を寄せるわたし つくり笑いに手が震えるわたし 恨めしの目ばかり肥えるわたし さあどれが本物のわたしでしょう さあどれが本物のわたしでしょう 本物のわたしはどれでしょ...
クレバス 氷の割れ目に落ちた 手足を張って耐える 指先の感覚はない 足先も同じくない 太陽に解けた雫が 時折頬に落ちる 絶望という雫が 背中を伝い落ちる 美しいブルーの壁 手足を動かしてみる 左手 左足 右手 右足 必死というのは こういうことなのだ クレバスの隣に寝転び 広いブ...
ボロギク きみはいったい どこからきたんだい? なにをするために そこに生まれたんだい? ギザギザしてて なんだか図太くて でも中身はがらんどう なのに黄色く輝いて どぎついほどに輝いて あんまりどぎついものだから ぼくはきみを消した ぼくはきみを消した それなのにどうして また...
浮草 自分では泳げない 漂っているだけ 百年に一度の日照りには 干涸からびるのを待つばかり もうたくさんだ 浮草なんて まっぴらご免だ
迷走神経 わたしは感づく 迷走せねばならない 秩序の海には 陸地などない あぶれものと言われ いかれものと言われ 百害ものと言われ 無用ものと言われ それでも行(ゆ)かねば 狂い迷走せねば 道は拓(ひら)けぬのだ 陸は見つからぬのだ そういうものの存在を 人は後世でのみ語る
黒き地平線から 燃やさなければならない すべてはイメージの中で 燃やし尽くされるのだ 欅や桜の並木も 華やかなる色の街も 古寺の残る風景も 誰かが落とした絵手紙も どす黒い炎にまかれ 荒廃した地平線 すべてはイメージの中で 燃やし尽くされたのだ 見よ 黒く燻(くすぶ)る地中から ...
小動物の震え 小動物のように 小刻みに震えるのは 何の予兆であろうか 落ち葉をかき分けて ひとつ木の実を見つけ 梟や狼らしき影に 恐恐(きょうきょう)として怯え うっかり木の実も落とし 巣に戻ってみると 家族揃って出迎え 何も手にしていない私を 冷たくも責めることなく じっと見て...
堕落の天使 脚をおっぴろげて ワイ談カイ談 尻をふりまわして ワレ先カレ先 堕落の天使 恥をうしない 堕落の天使 また引き継がれ 緩んだゴムは もはや緩むばかり もう元のようには 戻ってくれない 堕落の天使 わかっているのに 堕落の天使 いっそ切れるが仏か
夜勤 リムジンが停まっている ネオンがボディに映っている 運転士がドアーを開けた 黄色いヘルメットが出てくる 中肉中背の男がネオンを浴びた 運転士は礼をして見送った 男はよたよたと現場へ向かう 作業衣の汚れは落ちない 晴れた夜空には丸い月 露地を横切るのはネズミだろう 工事現場は...