生きるのはなぜ苦しいのだろう、つらいのだろう。いや、だからこそ喜びを感じ得るのだ。闇があるから光が分かる。この世はあなたが必要だ。感情回復『詩的ぶるぅすメソッド』申込はメッセージフォームから。
なんだかくすぶっていると感じる人へ 最近停滞気味の人へ
凝固点 固まり始めたら 動け 動かせ 固まってしまったら 動けない 動かせない 冷えきるのが嫌なら 動け 動かせ
最近停滞気味の人へ
ミイラ いつまで僕はこのミイラを 背負えば気が済むだろう 眼は嫉妬心で窪み 両手は問い糾(ただ)す恰好で 足掻く足指はひん曲がり 背中は頑として丸まっている そういえば君はいつだったか 逃げるように走り去ったね 僕はこの頃やっとわかった このミイラを見て逃げたんだ ミイラに気づい...
羽の上 働き蜂の群れの中 ひたすら仕事に励む日々 幸不幸も顧みず 羽をふるわせ飛び回る 森の奥まで来たある日 黒く美しい蝶を見た 樹々の間に光差し ひらひら舞って飛び去った 意志をもつということは 苦しみ宿るということか 黒い蝶を追ってみたい このままどこへも行ってみたい 意志が...
薄日 光差すところに 薄曇り有り 薄曇り無くば 光差さず
新しい日 新しいドア 新しい机 新しいイス 新しい窓 新品ではない だけど新しい 新しい空気 新しい声 新しい顔 新しい仲間
冬の蕾 暖かな初冬に おやもう春かいなと ふくらんでしまうのは 哀しき蕾だろうか 小枝の先にはまだ 枯れ葉がしがみつき ちょっとの北風にも ぶるぶる震えている 冬はますます厳しく 大地を凍らせてゆき 横なぐりの雪に 身が縮む日もあろう 哀しき冬の蕾よ どうか堪えておくれ 堪え抜い...
小河(しょうが)のまれて大河あり 小さい小さい水の筋 涸れずに流れ続けては 次第次第に広くなり そのうちいっぱしの川になり 周囲の流れをのみ込んで もっともっと大きくなって ついに大河と呼ばわれて 揺るぎない流れとなる まさかあんな流れがと 小さい頃を知る人は 天女かなにかを見る...
鮎 ただ気持ち良く泳ぎ くねらせていただけなのに どうしてこんな逃げ場のない 網の中へ入ったのだろう その中ではジャンプすることも 競争することもできず 胸鰭(むなびれ)をひらひらさせて 口をパクパクするしかない 隣や隣を見てみると 同じような境遇ばかり そうしてやっぱりただ 口...
前兆 生むというのは 苦しいことだ 苦しくなければ 生まれはしない いまその苦しみは 生みの前兆なのだ 生まれたあとには 喜びが待っている
味付海苔 今日は朝から雨が降る 見えない空で鳥が啼く どこへも出る気はしないけど どこかへ出なきゃと焦ってる 味付海苔は湿気ていて 互いにくっ付き合っていた 一枚くちへ放り込み 遠ざかる鳥の声を聞く 海苔はくちの中にいて 上顎にびたとひっ付いた やはりどこかへ出なければ 味気ない...
ひとつぶの火の粉 人間は大昔から 獣に追われていたから 完璧な安心を得ても しばらく時間が経つと 不安が芽生え始め 落ち着かなくなってしまう だから少しくらいは 火の粉がかかる方が 立ち向かっていられるだけ 気持ちを保てるのだ ひとつくらい火の粉を 握りしめておくのだ
ネット ゴミ袋が二個 ゴミ捨て場にいて 青いネットを被(かぶ)り じっと待っている ネットが覆っているのか ネットが絡まっているのか ネットに覆われているのか ネットに絡められているのか ゴミ袋たちは決して そんなことは考えない 青いネットを脱(ぬ)けて 転がり出ることもない
痩せ地 痩せこけた土地に 芽を生やした僕は 何ひとつ疑わずに なんとか葉を広げている 程良く陽が当たり 程良く水もあるという いくつかの幸運にも 度々救われながら
白い右手 肩をたたかれて 振り向いてみると そこには誰もなく 椅子や机もなく 書類の棚や壁の絵 電話機にコピー機 目標が踊る張り紙 あらゆるのもは消え 白いむき出しの壁と 薄曇りの窓だけが 無音の中に融けて 広大な砂漠になった とどまってはならぬ とどまってはならぬ 砂のかかった...
無風 無風の凪の海の上 舟はただ上下に揺れ どちらにも進まないまま 舟酔いだけがこみ上げる 誰か大きなうちわでもって あおいでくれればいいけれど あてにしてても仕方がない 自分であおいでみるしかない 大きな船のつくる波 いまはそれさえ有難い
薄れた日々 あなたの世界を 追いかけたくて 走りに走った あの夏の日々 華やかどころか 汗にまみれて 何度地べたに 倒れこんだろう あなたの世界は 蜃気楼のように 触れることさえ できやしなかった
人間という活動 人間という活動を やめるわけにはいかない 一分一秒たりとも やめるわけにはいかない たとえ気分が乗らず 動くことさえ億劫でも たとえ持病が痛み 神経を切り裂きたくても ほっぺが痒くなれば 掻いてあ...
うごめく間 生きている意味を 答えられるかい ぼくを含めてみんな 答えられないのさ どうしてかわかるかい いま生きているからさ いまこの瞬間にも うごめいているからさ 答えられたとしても 次の瞬間に変わる ...
往来のかなた 奈落をさまよい ふらふらしている 水を求めるように 光を求めるように それでもどうにか 耐えているのは 地上の人たちを 知っているからだ いつかその場所へ 上がれる日が来る どこかに必ずや ...
ヤドカリになって ヤドカリだって 宿を代えるさ あなたはどうして そこに居るんだい 大方あなたは 決めつけている そこに居るしか もうないのだと 冷たい地べたは 身にしみるだろう 手は差しのべない 変...