生きるのはなぜ苦しいのだろう、つらいのだろう。いや、だからこそ喜びを感じ得るのだ。闇があるから光が分かる。この世はあなたが必要だ。感情回復『詩的ぶるぅすメソッド』申込はメッセージフォームから。
大切なものを失った人へ
カマなしカマキリ カマをなくしたカマキリが 道をとぼとぼ歩いてた やがてヤモリと逢ったので カマを見ないか聞いてみた ヤモリはジロリと見たあとに さあねとぼっそり吐き捨てた またとぼとぼ歩いたら やがてカエルと逢ったので カマを見ないか聞いてみた カエ...
大切なものを失った人へ 誰かの独り言を聞くのが好きな人へ
絵葉書 前略 お元気ですか 思えば初めて 手紙を書きますね 何を書いたらいいか 正直思いつきません わたしはいま 深浦町に来ています 夕陽がきれいな所です また手紙書きます ...
帳の中で 切れてしまった電球は もう何をも照らさない ほのかに熱を残しつつ 夜の帳(とばり)に紛れ込む 人々は慌てふためいて 方方探し回っている どうして良いかもわからずに 手探り手探りうろたえる 明かりを!明かりを! 口々に叫んでいる 私が悪かった! 哀願する者もいる 切れてし...
火の海 四方八方から 火が迫りくる 轟音は悲鳴をも 掻き消す海となる あなたを守るのは 自分しかいない 火の海でしか 気づけないなんて どうかどうか 許して下さい そして火の海よ 尊い熱さよ 決して決して 忘れはしまい
菜の花の咲く道 何も言わないサヨナラは かなしくないと思ってた きみの好きな菜の花は いつかの空を捜してる 太陽が影を伸ばしても きみにすぐ手が届いてた 新しい朝がくることを 心のどこかで拒む日々 菜の花が咲くこの道で きみにサヨナラ言えないよ 笑って見つめて手を振って それで終...
順番 順番なんて どうでもいいと まだ幼稚な頃 いきがっていた あなたが突然 写真のひとになり 順番が違うと わたしは口走った 大人たちは言う 順番を守れと 本当の意味が いま解け出した あなたは順番を 守らなかった その償いとして そっちで幸せになれ
パトカー 車内にはうっすら 煙草のにおいが混じり ガガガッヅーっと 交信の音が聞こえ 両脇の男どもは 窮屈さに顔をしかめ 助手席の男はずっと 運転手と談笑し 窓の外を見れば 見慣れぬ街が流れ ガードの下をくぐると ふいに闇に包まれ もう明るい所には 帰ってこれないのだと 突如膝が...
東京の雪 前触れもなく 雪は降ってくる 睫毛(まつげ)に降り 唇に降り そのほかのものは 東京に降る そして予告もなく 姿を消し去る 睫毛から消え 唇から消え 確かに在ったものは 東京から消えた
国境の街 爆弾を抱えて 走りゆく友よ ぼくはきみを 止められないのか 風に舞う砂を 掴んでみても 手の中にはただ 虚しさが残る 優しい優しい 家族想いの友よ ぼくはきみを 見捨ててしまう 友よぼくは 恐れているのだ 手の中にある この虚しさを
夏の痣 蝉が太陽を連れて 夏の樹にしがみつく 白い雲をかち割って 冴えた青が滲んだ 砕かれた夢は 破片へと変わり 小さすぎるものは やがて融けて消えた どす黒い痣(あざ)が 脛(すね)の上を這い 厄払いのように 消したかったのに まだ夢の続きが 疼いてしまっていて 手にした氷嚢(...
雨の水族館 もし雨が降っても 水族館ならいいよね 約束の日は朝から 地面を濡らしていた 来ないことを知ってて 入口で雨だれを数えた 1 2 3 ・・・ きっと月日が忘れさせる 4 5 6 ・・・ きっと月日が思い出させる そうやって雨は やがて通りすぎる
黒い椿 この世でただひとつの 愛を失った者は 黒い椿になって 美しく咲いている その者たちはきっと 咲かすことに懸命で 無限に散らばる愛の 存在に気づかなかった やがて美しい花弁を 黒い地面に落とし 誰も見ないままに 静かに消えてしまう
透明人間 映画をタダで観よう ディズニーランドに入っちゃおう グリーン席は空いてるね ここが禁断の部屋かね 好きなところに這入れて 好きなことができちゃう だけど淋しいもんだね 誰も気づいてくれない ボクはここにいるのに 誰も気にしてくれない 愛しのロザンナさえも ボクを素通りし...
葉縁 死体の山の上にも いつか花が咲きやがる 悍(おぞ)ましさなどない 悲しみさえもない 雨に濡れた葉縁(はべり)から 水が落ちるようなものだ やがて雲を割って 光の根が降りよう
いないいないばあ なんだよそこに いるじゃねえか だまそうったって そうはいかないよ だいたいみんな いなくなるときは だまってすがたを けすもんだからね だからこっちは びびったふりして あんしんしながら ないてやってるのさ いなくなるんじゃ ねえぞこのやろう
宛て先 受け取ってくれない 受け取ってもらえない 神様にお祈りして いいこにしてるのに 何がいけないの? どうすればいいの? 今日はお空に 雲がないからね 絵かきさんがにっと いっぱいの髭で笑う じゃあ今度は雲が いっぱいの日にしよう 宛て先は雲の上 読んでくれるかな
白い夢 そんなににこやかに 手を振ってないで どうしてそれほどまで 早く行こうとするの 似合ってもいないその 白い服を脱いでよ おかげで涙なんて 流れないじゃないか
よろよろの灯(ともしび) くらくらしやがる 目眩(めくら)だろうか 歪(ゆが)んでいやがる この世のすべてが オーマイゴッド たったひとつだけ オーマイゴッド 叶えておくれよ 何かの足しに なりはしないか このちっぽけな いのちの灯
人と人の繋がりが欲しい人へ 大切なものを失った人へ
最後の願い きみが本当の ともだちならば 嫌われてでも 止めるはずだよ だっていまぼくが 行こうとするのは 暗闇の人生が 待ち受ける道 一度入り込めば 二度と出られない もうきみとだって 合えないだろう なあお願いだ 止めてくれよ ぼくにこころが まだあるうちに
止まった音 人目も憚(はばか)らず 声をあげて泣くには 何が必要なんだ なあ教えてくれよ いまのままの僕は 電池切れのロボット きみの最後の声も ノイズにかき消された こうしてじっとしてると 僕の腕や脚なんて すべてきみが動かし 僕は生かされていた なあ教えてくれよ 何が必要なん...