生きるのはなぜ苦しいのだろう、つらいのだろう。いや、だからこそ喜びを感じ得るのだ。闇があるから光が分かる。この世はあなたが必要だ。感情回復『詩的ぶるぅすメソッド』申込はメッセージフォームから。
イメージを楽しめる人へ
成人の日 おとなって何だろう? 我慢できる人のことだと 十歳の男の子が言った おとなって何なの? 子どもを守る人のことだと 七歳の女の子が言った きみが見つめるぼくは おとなになれているのかな 昔は誰もが子どもで おとなに憧れて だから苦しいことだっ...
まつぼっくり まつぼっくりは かなしかろう けっとばされて なげられて ころころころんと ころがって かわいたおとが さびしかろう さびしかろうとも ないてはならぬ かぜのともだち ほうふうほう ころころころんと ころがって みしらぬまちへ ...
消灯 もう間もなく 終わりの時間なのに ああ なんだか 始まりの予感だ 目には見えない感覚の 全身を走る感覚の 安心と緊張の混じった もうひとつの夜が もう間もなく始まるのだ 一体日本中の何人もが 同じ感覚でいることか 今宵は野良猫たちでさえ 寝静まっていることよ
桃の節句 お内裏さま お雛さま あれをご覧下さいまし 五人囃子どもめが 最上段にございまする なんとまあ図々しいことか まあ良いではないか 皆よく働いてくれておる 今日一日くらいは見逃してやれ ただ他の者への面目もあろう 一日分の減俸に処するよう 仰せの通りつかまつりますが...
小屋の中で 目をあけると そこには誰もいなくて 小屋の中は薄暗く 空虚さが充満すると 僕はいたたまれなくなり ギターを弾き始めたんだ ひとつひとつの響きは たとえそれが不協和音でも 空虚さの中を這っていき 壁や天井にぶつかって 僕にまた戻ってきた ...
すっとんきょう ほら ほら 顔が硬い すっとんきょう すっとんきょう そう そう やわらかに すっとんきょうのきょう 硬いと粉々砕けるけれど やわらかければ大丈夫 ほら ほら すっとんきょう すっとんきょうのきょう
拡がる メリ メリ メリ ギ ギ グゥ ワゥ チチチチ ズイ 樹が年輪をつくるときの音です
座敷唄 でゅーりゃ しゃんしゃん でぃりゃ しゃんしゃん でゅーりゃ でゅーりゃ しゃんしゃとせ でゅーりゃ しゃんしゃん でぃりゃ しゃんしゃん でゅーりゃ でゅーりゃ しゃんしゃとせとな
鈴蘭 小さな幸せ咲かす花 たくさんたくさん咲かす花 目立つばかりが花じゃない 上向くばかりが花じゃない 下を照らしてでしゃばらず たくさん幸せ咲かす花
メリハリモーション メリーチョップ ハリキリキック こぼれた水は 戻らないから メリーチョップ ハリキリキック 縮んで伸びて メリハリモーション
右には石 右と石 文字の形は似ていても 意味やなりたちは全く違う 書き順さえも異なっている 全く違う運命を辿った二つが ある日同じ紙面に出くわした 似ているといっても同じではない 文面上で交換もできない もう一度言っておくのだが 右と石は全く違う文字である 似ているからとい...
波の花 誰が見つけた波の花 岩にぶつかり咲き乱れ 渦に渦巻き散りぬるを 哭いた哭かぬは白鴎(しろかもめ) 孤独の岬は波の花 共に歩んだ足あとの 恋に恋して散りぬるを 消えた消えぬは沖鴎
波枕 風の向くまま 時に舵を取り 流れ流され ああ波枕 木の葉の如く 非力なまでに 流れ流され ああ波枕 穏やかな日は 木の葉は二枚で くるりくるりと ああ波枕
歩行者天国 ここが天国か 始めて来たよ 言われてみれば みんな幸せそうだ 入口から入って ぶらぶら歩く アイスクリームとか ベンチに座るとか 不思議なくらい みんな幸せそうだ そしてとうとう 出口にやって来た ほとんど人はいない なんだか寂しい...
廃屋の菊 主人を待っているのか ただ他にすることがないのか 敷地を区切る鉄の柵に しがみつくように生えている 廃屋は音もなく 色も失いかけているが しがみついているその菊は 知らぬ顔をしながら 二つ三つ黄色の花をつけ 不審な者には睨みをきかせ 子ども...
適度に晴れ男 カラカラカラ 干涸らびた もんどりうって すっ転ぶ おぉ天よ 手の鳴るほうへ ケラケラケラ 憐(あわ)れな男 掬(すく)ったものは 砂ではないか 汗をくれ 塩辛い汗を えいちつうおう カラカラカラ
光をあつめて 空を黒く塗って ハートを黒く塗って あなたを黒く塗って 虫メガネを当てて 光をあつめて 光をあつめて
タクシー 人間の次に 地球を支配したのは タクシーだった 都市はもちろん あらゆる町や村 山の中や防波堤 果ては地底の通路網 果ては砂漠のど真ん中 疎(まば)らになった人間を いつまでも探し続ける 疲れ切った一台が 赤いランプをつけながら 道の端...
柏手(かしわで) 一日の幕を 下ろし始めた 小さな港町 夕げ仕度の 窓は閉じられ 忙しい影 柏手ふたつ 社(やしろ)を伝わり 天井に満ちる 圧倒的な時を 超えては戻り 超えては戻り 港町の明かりに 下りていった
お螻蛄(けら) もぐる もぐる 土ん中 好きで もぐる わけじゃない もぐる べき日が 来ただけだ ずっと もぐる わけじゃない 土から 出る日が また来るさ