蛹の一生
蛹(さなぎ)という生き物がいて
一生を蛹で暮らす
彼が望んだわけではない
生れてみたら蛹だった
彼は疑うこともなく
蛹なんだと思っている
思うということさえない
ただひたすら生きている
時々背中がもぞもぞと
違和感があるときがある
それが羽であるなんて
どうしてわかるはずがあろう
それでも彼が今の彼を
疑うことができたなら
もしかしたらその羽は
春風に舞うかもしれない
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