黒い繭

黒い繭   

 


自分の傷口から 


甘い香りが放たれ 


それにつられた悪が 


自分を取り囲む 


清い空気もいつしか 


どす黒く変わっている 


まるで黒い繭のよう 


息苦しさは増してゆく 



抜け出さねばならない 


手を包丁のようにして 


縦に繭を切るのだ 


すっすっすっと切るのだ 


力を入れる必要はない 


恐怖や苛立ちの感情も 


息苦しかった繭の中に 


新鮮な空気が入る 


繭から出られるのだ 



蓮(はす)の花が開くように 


黒い繭が割れてゆく 





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